◆八鉾杉の話
今からおよそ320年前、福島村の名主であった戸門治兵衛という人が、ゆくゆくは神社の建て替えもあるだろうからその時に困らないように…と、多くの杉の苗を植えました。
ある時、村は激しい雷雨に見舞われました。雷は村中を襲い、その中のひとつが神社前の杉の木に落ち、木はずたずたに裂けてしまいました。
しかしその木は、裂けた所が8本の幹となり、しばらくするとまた元のようにすくすくと伸びはじめたのです。
これを見た村人達は、「これは何と不思議な木なのだろう。きっと神様のお使いに違いない」と言って、しめなわを張り、御神木として奉るようになりました。これが福島大神宮にある『八鉾杉』と呼ばれる御神木です。
『八鉾杉』は今でも一本の杉の木から八つの幹が天に向かって、まるで大空に手をいっぱいに広げるかのように伸びており、神殿を守るかのように荒々しくそびえ立っています。 |