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おばあちゃんの昔話
◆見ねこの岬

福島町と松前町の境に、『見ねこの岬』と呼ばれる岬があります。
昔は今のような道路もなく、松前から箱館へ抜けるためには、海からすぐ急ながけの続くこの地域を、海を歩いて越えなければなりませんでした。
無理して服を着たまま歩くと、せっかくの着物が海の水につかり台なしになってしまいます。なので、ここを通る人達は裸になり、着物を頭の上に乗せて渡りました。男の人はまだ良いのですが、女の人は腰巻を外すと前も後も丸見えのすっぽんぽんになってしまいます。そこで、前後の人達は「見ねこ、見ねこ」(見ない、見ない)と思いながら、だけどもやっぱり気になってちらりちらりと見ながら、岬の海を渡っていました。
このことから、この岬は誰が言うともなく「見ねこの岬」と呼ばれるようになりました。
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